難しさの先に

地元の木を使う事は本当に難しい。たまに泣きたくなるけれど結局一つの答えに辿り着く。

難しさの一つに手間問題がある。丸太を買いに原木市場に行くと各地から集められた丸太がサイズ毎に積まれている。そこから柱用に太さが揃った丸太の仕入れができる。その方が製材効率も良いし何より設計士さんや大工さんを悩ませる心配も少ない。これが効率的で時代に沿ったやり方。一方で地元の山の木を使おうと思ったらそうはいかない。林業従事者は1985年(私が生まれた年)の12.4万人から3分の1に減少し2020年は4.4万人。地元ときがわ町の若者従事者もほぼいなくなってしまった。その中で地元の木を使おうとするからそれはそれは難しい。その取組は、まずは山に入る事から始まる。・山の把握→設計士さんと材料打合せ→伐採師仲間と入山→木々のバランス確認(将来を見据える)→木の曲がりや捻じれ確認→選木→伐採→製材へ運搬→製材1回目→乾燥→製材2回目→プレーナー仕上げこう書いてみると明らかに非効率、今、私は時代を逆走している。(笑)でも仲間と伐った丸太を製材する時の不思議な面白さは何だろう?それは直に人と自然との繋がりの中で動いているという実感なのだと思う。誰の山で、どんな思いで育てた木なのか。施主さんの想いや設計士さんの存在。

非効率のその先に繋がりが確かに見え隠れしている。難しいから面白い。いつもこの答えに辿り着く。

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